都会の喧騒から離れ、軽井沢高原の深い森に包まれるように建てられた邸宅。

くつろぐだけではなく、豊かな自然のなかでご家族とともに楽しめる別荘を希望された。
元より木々に囲まれた土地ではあったが、季節の移り変わりをより感じられるようオオヤマザクラやモミジを植樹。散策することがレジャーになる、広大な庭空間である。
このようなダイナミックな自然を満喫するには、それに見合う雄大さを備えた建築デザインが欠かせない。より顕著に表れたのが、約5.4mもの吹き抜けリビングだ。
そびえ立つ天然石の柱が大屋根を支え、柱の間をガラス開口が繋いでいるかのようなシンプルかつ大胆な構成とすることで、空間全体に大きな迫力をもたらしている。
樹高の高い木は1階の開口からでは幹部分しか見えないが、床から屋根まで広がる大きな開口を設けたことで、樹木の枝葉に加え、空まで見上げることが可能となった。

1階、2階に関わらず、家のどこからでも常に緑を見渡せる森に囲まれた空間で、森とともに遊ぶ。この一体感が、かけがえないご家族の時間を彩ってくれるだろう。

大きな軒下空間のインナーテラスは、屋内のダイニングとフラットにつながり、内外の中間領域として機能。

大開口からの光を反射する、白い壁・天井のダイニングキッチン。屋根と同じ素材の折り上げ天井がより映える。

庭のアプローチは、枕木と浅間石の砂利とを交互に配置することでリズムを感じさせる印象的なデザイン。

石を思わせるグレーカラーの壁や一面に広がる開口を設けることで、露天風呂のような半屋外の浴室空間を設計。

玄関ホールにもリビングと同様の吹き抜けを採用。眼前に広がる緑豊かな木々が来客を出迎えてくれる。